凍頂烏龍茶の説明と、二種(沁園さん・林華泰茶行さん)比較

凍頂烏龍茶とは

日本でもかなりポピュラーなお茶ですので、どのようなお茶かご存じの方も多いとは思いますが、まずはざっと軽くご説明します。

凍頂烏龍茶の名前は、19世紀に大陸から台湾に入ってきた茶の木の苗を当初は台湾の凍頂山で栽培していたことが由来。

ちなみに凍頂山と聞くと漢字から「凍った頂きがある山?めっちゃ高い山なのかしら!」と思いますが標高は800m程度と意外と低いです(台湾高山茶の定義は1000m以上とされています)

1970年代にブランド化され、今では台湾の南投県鹿谷郷近辺のほか、広い地域で作られています。

比較的歴史の新しいお茶ですね。

一般的な凍頂烏龍茶は、日本で売られているペットボトルの烏龍茶などにくらべ格段に茶液も淡い色で、味わいもまろやか

フルーティーな香りや豊かなお花の香りが楽しめるお茶です。

(凍頂烏龍茶も多種多様ですので、お茶専門店で購入する際は香りのタイプや発酵度の強さ、火入れのあるなしなど確認してみるといいですね)

以上、大変ざっくりとではありますが「凍頂烏龍茶」解説になりました。

さて、ここからは超個人的な思い出というか刷り込みなのですが、私は凍頂烏龍茶といえば夏を想起します。

それも陽炎が立つくらい酷暑の真夏です。

20代前半のころ夏季休暇で初めて訪れた台湾は、北国育ちの私には驚異的な熱さでした。

台湾・九份の景色

呼吸をするだけでじゃばじゃばと出る汗&刺さるような日差しに皮膚が溶ける!と息も絶え絶えになりながら生まれて初めての台湾の街を歩きました。

それでも「せっかくの旅行を余すところなく楽しみたい」とザ・台湾!な茶芸館(それも屋外席)に入店、当時あまり知識もないなか唯一知っていた「凍頂烏龍」を指さしで頼みました。

アッツアツの熱湯をじゃばじゃばしながら淹れるあの台湾茶芸(旅行番組とかで見るやつ)を見たいあまりの温茶オーダーです。

いやー、暑かったです。

扇風機ではどうにもならんレベル(外ですから)

いただいた凍頂烏龍茶はとても香り高く美味しく、雰囲気も素晴らしいお茶屋さんでしたが、飲んだお茶が一瞬で汗腺から出ていっていると錯覚するほどでした。

アカシアの花の香りがする汗を流してはみたいですがね。

それ以来、私は凍頂烏龍の香りをかぐと、死ぬほど暑かった台湾の美しい夏の光景が脳裏に浮かぶように。インプリンティング。
「香り」は脳の記憶領域と密接に結びつくと言われていますからね。

お茶の匂いは旅の匂い、私にとって凍頂烏龍は夏の台湾の匂いです。

余談でした。

さておき、凍頂烏龍茶二種の飲み比べです。

台湾茶好きさんにはお馴染み「林華泰茶行」さんと「沁園」さんの凍頂烏龍です。

沁園さん・林華泰茶行さん凍頂烏龍茶のパッケージ

きゅっと丸まった深緑色の茶葉です。若干ですが林華泰茶行さん(右)の方が明るい緑です。

どちらも温めた茶器に熱湯で一煎目は1分、二煎目は15秒蒸らしていただきます。
今回は洗茶はいたしません。

沁園さん(写真左↓)のほうは、茶殻の香りがまったりしています。甘いお芋?のようなこっくり系の香りです。

林華泰茶行さん(写真右)の茶殻からは栗っぽい香りに加え、ジューシーな果物(一瞬スイカを感じました)、さらに枯葉やドライフラワーのような香りが合わせて感じられ、芳醇です。
(写真の撮り方が揃っていないせいでわかりづらくてすみません)

まずは沁園さんの一煎目をいただきます(写真左)。
茶液は甘みがあって、とろっとした柔らかい口当たり。味わい深いというか、しみじみとした美味しさを感じます。

二煎目は、やや甘みは抑えられて、しゃっきりとした爽やかさが出ます。うまみもしっかり感じられ、するっと喉を落ちたあと戻る香りも華やかです。

続いて林華泰茶行さん。
さらりとした口当たり、うまみと甘みと収れん味のバランスがよいです。お花の香りが立ち、さらに一煎目より二煎目からのほうがそれをより強く感じます。

フルーツの感じも残しつつのお花なので優雅です。飲んだ後に残る香りもボタニカル。

二種類とも水出しを試したいところですが、なにせ烏龍茶は何煎も楽しめるお茶なので半日~1日はずっと同じお茶を飲みます。

ですので、インターバルをはさみつつまた折を見て水出しレビュー記事もあげたいと思います。

凍頂烏龍茶 二種(林華泰茶行・沁園)まとめ

柔らかくて甘い、なめらか~な凍頂烏龍が好みの方は沁園さん

香り豊かでジューシー、爽やかな後味も楽しめる凍頂烏龍がお好きな方は林華泰茶行さんを選ぶとマッチすると思います。

でも個人的なお勧めは、どちらのお茶も質良く香り高い凍頂烏龍であることは間違いないのでとりあえず両方試してみていただくことです!笑

今現在、好みのお茶が特にわからなくても、比較することによってこっちのほうがなんとなく好き、とか色々感じるところが出てきますのでね。

沁園さんは台湾のお店からオンラインでお取り寄せもできたはずなので、気になった方は検索してみてください。

それではまた!