ダージリン白茶レビュー記事バナー。

久しぶりに2024年のファーストフラッシュレビューです。
ですが、今回は通常のダージリン「紅茶」ではなくダージリン「白茶」

 「ダージリン白茶」ってなに?という方へ 

白茶と言えば中国茶、福建省の白毫銀針や白牡丹が有名な「微発酵茶」ですが、近年はインドやスリランカなど紅茶の産地でも作られています

ですが白茶製造の歴史が中国よりも浅いため、その品質はよく吟味する必要があるとおっしゃるバイヤーさんもいらっしゃり、そこまでポピュラーではありません

今回ご紹介するアリヤ茶園さんの白茶は、ダージリン茶園で作られたインド産の白茶です。

通常の紅茶製造とは違った技術力を要するとは思いますが、アリヤ茶園さんはオーガニック製法などで有名であり、数ある茶園さんの中でも茶葉の質には定評がありますから、原料となるお茶自体は期待が持てます。

今回レビューする「Spring Pearl」を直訳すると「春の真珠」ですが、このお茶の紹介文を引用させていただきます。

New Spring 2024 season early Spring Tea from the Organic Arya tea estate in Darjeeling. Among the several ‘gems’ produced by this estate, this is among the finest. The taste is extremely mellowed, gentle, pleasant and soothing and comes with a soft floral aroma that overwhelms the drinker with its mellifluousness.

(Golden tips tea 公式サイトより)

注目すべきは私がマーカーを引いた部分!

「この茶園で生産される数々の“逸品”の中でも、最高級品」という表現にくわえ「飲む人をまろやかさで圧倒する」という部分です。

気になりますよね?
めちゃくちゃ飲んでみたくなりませんか?

私はこれにつられて買ってしまいました。単純人間です。

お値段は100gあたり約8600円。まあまあします。

アリヤ茶園 白茶 spring pearl 2024 1st flush パッケージ

まずは茶葉の観察です。

アリヤ茶園 白茶 spring pearl 2024 1st flush  茶葉の様子

白茶なので当たり前ですが、揉捻のあとは全く見らません。
摘まれてそのままお茶になりました~といった感じの形状です。
かなり青みを残しており、甘酸っぱいような香りがかすかにあります

萎凋については、一見しただけで見抜ける眼力を持ち合わせてないのが残念ですが、お味と香りの良し悪し、特にフルーツのような香りを決めるのはこの工程とのことです。

沸騰したお湯で、長めの5分蒸らし。

*パッケージによると、茶葉2g 、お湯量225ml、湯温90~100℃、蒸らし時間5~8分 が推奨の淹れ方となっております。

水色は淡く黄色みがかった緑色。

1杯目を飲んだ第一印象は、ひと言でいえば7割緑茶!

味わいも香りもとてもグリーンなティーです(そのまんま)。

やや玉露感というか、うまみがあって確かにまろやかではあります。
白茶にしては少し渋みを感じるので、それもさらに緑茶感を高めるというか。

しかし飲む寸前にすぅっと香りを吸い込むと、鼻腔にはボタニカルな花香がかすかに抜けフレッシュです。
果実香についてはほとんど感じ取れません。

これが目隠しで出されたら白茶だと当てられる自信があんまりない……でも後味は白茶……というふんわりとしたライン上にいる感じ(そんなのばっかりでお恥ずかしいですが)。

と思っていたら、やや冷めてくるにつれ甘いお花の香りが少し強くなり、さらに冷ますと緑茶感はぐっと減ります。

☆ もしやこれは、水出しをするとまた違った面を見せてくれるのでは……? ☆

思い立ったらすぐ行動派なので、すぐさま水出しアイスティーを作ってみます。

ハンディ―クーラーが出払っていたのでルピシア ボンマルシェで購入のサーモスタンブラーを活用。

アリヤ茶園 白茶 spring pearl 2024 1st flush 水出しの様子

6時間後に、再びお味見。

ホットの時に感じた渋みはまったく感じられず、淡いお花と青草の香りがまず優しく香ります。
渋みが落ち着いた分、甘みがより感じられるようになりました。

何より、白ブドウのようなフルーティーさもはっきり出てきて、かなりいい感じ。ちょっと感じる渋みも、ブドウの皮を彷彿とさせて丁度いいかも。

少し前にマスカテルフレーバーをテーマに記事を書きましたが、この白茶の水出しは果物の「マスカット」の風味が味わえるお茶と言えるでしょう。

まろやかさに「圧倒」はされませんが(すみません)、風味の良さにおおっとはなりました!美味しいです。

また、熱湯で淹れる際の抽出時間が長いことも気になっていたので、この後お湯で淹れる方法も再度アレンジし、20秒、1分、2分、3分目にそれぞれお味見をしてみました。

すると、お湯で淹れた場合でも2分目、3分目まで蒸らした茶液はまろやかかつ渋味の少ない甘い香りのお茶になりました(20秒~2分目まではやや物足りない風味)

1度目は、抽出時間が長かったせいで緑茶感が出たのかもしれません(5分抽出の時はうま味成分や茶葉の味がずっとしっかり出ている感じでした)。

まとめ

ダージリン白茶については情報も少なく未知の部分が多いため、まずは自分で温度、抽出時間、抽出方法をいくつか試行錯誤する方が早く好みの味にたどり着けると思います。

特にお高めのお茶を買ったときは、基本の「パッケージ通り」に淹れる以外にも、自由にあれこれ試してみるとそのお茶を余すところなく堪能でき、満足感アップに繋がりますので、試してみてください。

「面倒くさいな」と思う方は、白茶についてはとりあえず通常抽出と水出しの2種類だけでも是非やってみてくださいね。

少しでも参考になりましたら嬉しいです。
ではではまた。